アヴェンチュラ、レースレコード重賞初Ｖ！秋華賞名乗り…クイーンＳ

　クイーンＳ・Ｇ３（１４日、札幌・芝１８００メートル）は１番人気のアヴェンチュラが快勝。春は故障のため、休養を余儀なくされた３歳馬が、秋華賞戦線に名乗りを上げた。鞍上の池添謙一騎手（３２）は、桜花賞２着、オークス３着のホエールキャプチャの主戦も務めており、牝馬３冠目に向けて、悩ましい勝利となった。２着はコスモネモシン。昨年の覇者アプリコットフィズは１２着に敗れた。

　４コーナー手前。追い通しのアヴェンチュラの背後から、コスモネモシンが迫ってきた。一気に抜かれて直線へ。戦意を喪失して不思議ない展開だったが、そこからキャリア４戦の若駒が歯を食いしばった。目標を定めて、ジワジワと脚を伸ばして、ついに先頭へ。最後は首だけ抜け出して、ゴールへ飛び込んだ。

　「よく差し返してくれた。５２キロとはいえ、Ｇ１で戦ってきた古馬を相手に大したもの。いい勝負根性がある」。雨と汗をしたたらせながら、池添は笑みを浮かべた。昨年の阪神ＪＦ４着後、右前脚を骨折。春は全休を余儀なくされたが、それが成長を促した。「２歳の頃は（体が）ゆるゆるだったが、休養で芯が入った」。ひと回り成長した姿で、前走に続く連勝。重賞初制覇を飾った。

　全姉トールポピーは、阪神ＪＦ、オークスを制したが、尻すぼみの成績になって現役を退いた。両馬を知る池添は「お姉さんは走るのに飽きてしまった。この馬もイライラしたり、頭が高かったり共通点はあるが、まだレースに飽きていない」と言う。「ずるいところがあるので、怒らせながら調教をしてきた」と前川助手。姉も管理した角居厩舎が、経験を生かし、精神面をコントロールしてきた成果が出た。

　今後は１６日に放牧。次走は秋華賞（１０月１６日、京都）直行が有力だ。何もなければ、姉と同様に「角居―池添」コンビで向かうことになるが、池添には春の相棒ホエールキャプチャがいる。「体がふたつ欲しい。（決めるのはホエールが出走する）ローズＳが終わってからですね」。この時ばかりは、池添が悩ましい顔になった。どちらに乗るのか―。いずれにしても、秋華賞の有力候補が、誕生したことは間違いない。

　◆アヴェンチュラ　牝３歳の鹿毛。父ジャングルポケット、母アドマイヤサンデー（父サンデーサイレンス）。戦績５戦３勝。総収得賞金８６３９万８０００円。重賞初勝利。生産者・北海道安平町のノーザンファーム。馬主・（有）キャロットファーム。栗東・角居勝彦厩舎所属。

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